多角化するアマゾンの配送システムに新しいプログラム
またアマゾンが新しい配送方法を始めるみたいだね?
アマゾンで購入した商品を配送するのは、ギグワーカー・個人事業主だと「アマゾンフレックス」が思いつくと思います。配送業社が配送する場合は「デリプロ(デリバリープロバイダ)」などよく聞きますよね、またクロネコヤマトなどの大手配送業者が配達する場合もあります。
アマゾンは今回新たな配送プログラム「デリバリーサービスパートナープログラム(DSP)」を開始すると発表しました。個人事業主、フリーランスの軽貨物事業者にどのような関係、そして影響があるのか?解説します。
【DSP】は誰向けのプログラム?
「デリバリーサービスパートナープログラム(DSP)」は配送事業主として、アマゾンの販売する商品を配送するプログラムです。アマゾンフレックスとの違いはDSPの場合、参加するのは企業(法人)を対象としていることです。
アマゾンの配送を行う配送業者を、アマゾンが持つノウハウを利用しサポートして起業するプログラムと言えるでしょう。
すでにアマゾンの配送を行う数人規模、小規模の配送業者は多数ありますが、これらの業者はデリバリープロバイダ(デリプロ)と呼ばれる配送業者の協力会社(下請け)になります。
今回の「デリバリーサービスパートナープログラム(DSP)」はアマゾン直の小規模配送業者である点が大きな違いになります。
アマゾンフレックス | デリプロの協力運送会社 | DSP | |
契約対象 | 個人事業主 | 法人 | 法人 |
契約形態 | アマゾン直 | デリプロ企業(キャリア) | アマゾン直 |
デリバリーサービスパートナープログラム【DSP】の支援内容
事業開始にあたってアマゾンの持つプロセス、ノウハウを利用して資本を節約し効率よく、開業当初から高いレベルのサービスを提供できる。
以下のようなアマゾンのシステムを利用するができ、求人までサポートしてくれるので円滑に配送の仕事を開業とあります。
開業資金 | 年間売上 | 年間利益 |
120万円〜 | 1.49億円~2.98億円 | 1210万円~2470万円 |
※5台にて開業する場合 | ※20台〜40台の軽貨物運用の場合 | ※20台〜40台の軽貨物運用の場合 |
- 法務・会計サービス
- 報酬管理システム
- 業務用衣類、給油カード
- ドライバー募集広告の掲載
- 自動車保険
必要なシステムのみ使用可能。
【DSP】で開業するメリット
まず運送会社を開業しようとしてアマゾンの荷物を取り扱うなら、今まではデリバリープロバイダの協力会社になる方法が主流でしたが、アマゾン直の「デリバリーサービスパートナープログラム(DSP)」を利用して開業するメリット、デメリットを考えます。
- 法人格で開業してすぐに数十台規模の仕事を継続して受けることができる
- アマゾン直の契約なので、報酬面で期待ができる
- アマゾンのノウハウがもたらす様々なツールを使用できる
運送会社を開業して仕事面、経営サポートについてもこれだけ参入障壁が低く参入できる部分はさすがアマゾンのシステムだと思います。アマゾンフレックスやHub等もそうですが、このような新しい働き方を作ることができるのは流石だと思います。
【DSP】で開業するデメリット
- 取引先がアマゾン1社となるため、急なルール変更等にさらされるリスクがある
- 法人なので人事財務等、アマゾンのツールがあるとはいえ自身で管理しなければいけない部分が多数ある
アマゾンフレックスも開始当初に比べ、配達に要求される仕事量が多くなりました。アマゾンも初めてのことなので様子を見ながら調整していくのでしょうが、ルール決定はすべてアマゾンにあるので急なルール変更等を受け対応しなければいけないことがあるのはリスクでしょう。
また、開業後将来的にアマゾン以外の配送事業に携わる場合、引き続き労務などの支援システムが使用できるかは不明ですが、現状DSPに参加している業社のなかにすでに他の配送事業も行っている法人もあるようです。
デリバリーサービスパートナープログラム【DSP】応募方法
現在、関東(東京23区内、埼玉、神奈川、千葉)と関西(兵庫)で配送サービスパートナーを募集していますが、他の地域でも要応談となっているので他地域でも開業が可能かもしれません。
また、短期的な事業計画や、パートタイムでの参加、複数の場所/地域で配送サービス事業を運営することを検討している人事業主候補には適していません。
事業主が年間を通じて平均20〜40台で単一の配送ステーション内で配送事業を運営するように設計されています。
とアナウンスしているので、一つの拠点である程度の規模まで拡大すること、フルタイムしっかりと営業することが求められています。
公式WEBサイトより応募ができます。アマゾンフレックスなどと違い事業立上げなので、準備もなくそう気軽に応募できるものではないですけども...
ただWEBサイト内でも配送報酬等には地域差があることもあり触れられてないので、検討される方は応募して確認するのが良いと思います。
登録から配送開始まで、最短で2ヶ月長い場合で6ヶ月かかるようです。また審査があるのでアマゾンフレックスのように応募して資格があれば必ず参加できるものではありません。
申請者の履歴書/職務経歴書 |
財務情報 |
DSP の報酬
アマゾンの配送は、アマゾンフレックスと同様に地域差があるので詳細は触れられていません。
支払い項目として
ルートごとに支払われる料金 |
配送が完了した商品の数に基づく料金 |
配送が完了した商品の数に基づく、Amazonが指定した追加の条件 を満たした場合の追加料金 |
以上の内容がアナウンスされています。追加料金というあたりインセンティブ的な要素もありそうですね。
アマゾンフレックス撤退?DSPに置き換わる?
「デリバリーサービスパートナープログラム(DSP)」の話がではじめた出た頃にSNS上で「アマゾンフレックスが終了する」という噂が流れました、当然デマです。
アマゾンは同じく最近開始した「アマゾンHub」を始め様々なチャンネルで配達できるプログラムを行なっています。
アマゾンフレックス撤退、終了の噂はWEB上を見てみても数年前から出ていますが、現在も拡大募集を行っている現状をみればあくまで噂であるとわかります。
アマゾンが全体としてみている、永続的な安定した配送、配達員の確保という点で今回のDSPも開始されるのだと思います。
DPS法人に個人として参加するメリット
あなたが「デリバリーサービスパートナープログラム(DSP)」の事業者にならないとしても、このDSPにより設立された会社に参加するメリットはあるでしょうか。
- アマゾンフレックスのようにオファーの取得に左右されない、安定して稼働できる
- 配送拠点が固定のため、配送品質の向上が期待できる
- 契約解除(垢バン)のリスクが低下
- 拘束時間が長くなる可能性がある
- アマゾンフレックスより報酬の支払い時期が延びる
個人レベルでは現状のデリバリープロバイダ(デリプロ)〜協力会社と変わらない感じもしますが、DSP法人がアマゾン直である事を考えると報酬面で期待できるかもしれません。
委託として参加する場合は、現在のデリプロと同じように配送報酬から手数料等が引かれる可能性があります。
アマゾンはDSPに対して、求人面もサポートすると表明しています。アマゾンフレックスも一時期、通常の求人サイト等に広告を出していたことがあるので、同じように求人サイトからDSP法人への応募ができるようになるかもしれません。
すでに稼働しているDSP法人を見ると、社員と委託両方からの参加方法があるようです。
まとめ
DSP法人が増えてくることに期待だね!
デリバリーサービスパートナープログラムDSPについて解説しましたが、個人がゼロから運送会社を起業するサポートプログラムとしては、アマゾンの仕事と求人等までサポート付きという最強のパッケージです。
あらためてアマゾンという企業は新しい働き方、起業の仕方にイノベーションを起こす力があるなと感じました。
一方で大きくなりすぎたアマゾンの社風やCEOジェフベゾスの独特な経営方針に、末端の労働者が翻弄される事も度々あります。
DSPで起業しないにしても、今回のDSP開始は軽貨物の個人事業主として今後新たな働き方の選択肢が増える可能性がありますね。
最後までお読みいただきありがとうございました。アマゾンフレックスに関しては情報をまとめた記事があります、アマゾンという会社がどんな企業かの参考にもなると思うので、ぜひお読みください。
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