ぎもん猫
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軽バンにもCVT採用車が増えてきたけど、仕事で使うにはどうなんだろう?

この記事でわかること
  • 軽バンのCVT搭載車とは
  • 走行の特性、メリットデメリット
  • メンテナンスに気をつけること
この記事を書いた人
ポーターロゴ
ポーター
  • 2019年より軽貨物の仕事にてN-VANを使用
  • 4年で走行距離は15万キロ突破
  • 軽バン歴は10年、サンバー・エブリィ2台乗継いでN-VANへ

NVANで初採用、ダイハツハイゼットもCVTに

ホンダのN-VANが軽バン(商用車)としてトランスミッションにCVT(無段変速AT)を採用した初めての車です
メリットとしては、燃費・発進・静粛性が向上する、とうたっています。ホンダはNシリーズに軽バンを加えるにあたりヒット作のN-BOXなどシリーズで機構の共通化をしたい狙いもあるんじゃないかとも思います。
CVT=乗用車のイメージがありますので、一番心配なのは耐久性でした。メーカーとしてテストは重ねているでしょうが、実際に毎日の軽貨物の仕事で使用したレビューというのはなかったのではないでしょうか。

CVTのメリットデメリット
CVTの構造
  • CVTは無段階でギア比を設定できるため、常に最適なギア比を選ぶことが可能です。走行時の回転数を低く抑えることができるため、燃費を良くすることができます。
  • デメリットとして、低速と高速の走行においては、燃費が悪くなってしまう点です。これはベルトがプーリーの端側に来るほど回転が小さくなることで、滑りやすくなったり摩擦が大きくなるという仕組みによるものです。
  • 中速域の走行が多く加速と減速を繰り返すことが多い車には、CVTが合っているといえます。CVTは日本車がダントツに採用例が多いのは日本の道路事情にあっているためです。
  • 逆に長距離の移動が多く高速走行が多い車は、プーリーの端側ばかり使う事になるのでベルトの摩耗が進みやすくなるためCVTは向きません。欧米でCVTが普及しないのはこのためでもあります。
  • N-VANでは荷物積載が多い走行など高負荷時に、CVT内のプーリーとベルトの位置が負荷のかかる状態になり続けないよう、乗用車用のCVTと違う設計になっているそうです。
  • とにかく静か

    CVTベルト駆動の為に走行時、アイドリング時の振動と音が他車と比べ「かなり静か」です。
    軽貨物の仕事は、1日のほとんどの時間を車の中で過ごすといっても過言ではありません。長年軽バンに乗っている自分の感想としては、運転していてかなり疲れにくいと感じます。

    燃費は良いが変動幅が大きい

    NVAN燃費

    高速で80km/h程度で走っていると24km/Lくらいまで上がります。(100km/h程度で巡航すると急に燃費がわるくなのは上記の理由からだと思われます。)
    一方宅配などでストップ&ゴーを繰り返していると15km/Lくらいまで落ちます。夏場エアコンまでつけると10km/Lに近く事も..
    状況によってはかなり燃費は良くなるけど状況が悪ければそれなり、燃費の変動幅がとても大きいです。
    1日移動の多いスポットの仕事をしていると20km/L程度で推移するのでそのような仕事メインの場合は、いままでより車の維持費がかなり抑えることができるでしょう。

    レスポンスは?

    構造的に加速時エンジンの回転数と車の加速タイミングが一致しないので最初は違和感あるかもしれませんが、私はすぐに慣れました。CVTを敬遠される方にはこのフィーリングの違いを嫌がる場合が多いと思います。
    それは荷物満載時により顕著になりますが、つかみどころの無い車の挙動ではないので乗り慣れてしまえば、細い路地などで細かな速度調整したい場合などは寧ろ無段階変速の恩恵があると感じます。

    CVTフルードは交換必須!これ大事

    快適に毎日乗っていたNVANですが、購入後2年半11万キロ走行時点で発進時に”ガクン”という細かいショックを感じるようになりました。しばらく様子をみていたのですが悪化して、症状としては発進時に少し動いてから加速しなくなり踏み込むと”ガツン”といきなり繋がる。「下手な人が運転してるマニュアル車の加速」という感じですね。
    ディーラーにて10万キロのメンテも含め、CVTフルード(CVTオイル、ミッションオイル)も交換してもらいました、交換して2日ほどまでガクガクしてましたが”アタリ”がでたのか以前のようなスムーズな加速に戻りました。

    CVTはメンテナンスフリーだと書いてある解説サイトもありますが、ホンダでの交換推奨は4万キロだそうです。ここまで交換しなかったのはよろしくなかったですね。

    1年後に現象再発しました、実際の原因は以下の記事の通りです。
    ただCVTオイル交換等の定期的なメンテナンスは必要だと思います。

    ダイハツハイゼットも採用、軽バンも今後の主流か

    ダイハツハイゼット

    2022年にモデルチェンジしたダイハツハイゼットもCVT採用となりました。N-VANと同じく燃費・発進・静粛性が向上するというメリットより、他車種との部品融通の方が主な理由なのでは?とも思っていますがメンテナンスさえ怠らなければ、とても良い仕事をしてくれる相棒になります。

    CVT採用の理由について

    初回に記事を書いた段階で、ホンダもダイハツも商用車にCVTを採用したのは”乗用車との部品の共通化では?”と書きましたが、実際は燃費基準をクリアする等の事情でCVTを採用したようです。
    両者共、商用車へのCVT採用に伴い基本設計から見直して専用品を搭載しているそうです。

    まとめ

    わかった猫
    わかった猫

    ちゃんと特性を理解してあげれば、とても良い仕事の相棒になるね!

    • CVTのフィーリングは商用車(軽バン)になってもかわらない
    • CVT耐久性は全く問題なし(走行15万キロ)ノートラブル!

    CVTはおそらく今後の軽バンの主流になると思われます。ただ前述のようにデリケートな機構でもあるのでくれぐれもメンテナンスはしっかりしてあげてください。

    最後までお読みいただきありがとうございます。N-VANの長期使用レビューも書いていますので、ぜひごらんください!

    10万キロで27万円の差になった!燃費レポ

    4年間仕事車として使用する事で見えた事、N-VANレビュー

    [この記事は2022年2月に公開した記事を再編集しています。]