個人事業主目線、フリーランス保護法のポイント解説します

ぎもん猫
ぎもん猫

ニュースでやってたけど、イマイチ内容がわからないなー

フリーランス・個人事業主という働き方、元々から軽貨物は多かったのでしょうがギグワークの台頭によりさらに増加しているものと思われます。

ランサーズ株式会社によると『フリーランス実態調査 2021-2022年版』にて、フリーランス人口は1,577万人、経済規模は23.8兆円であることがわかりました。

2023年の通常国会において、政府はフリーランスを保護するための法案、いわゆる「フリーランス保護新法」を提出しました。
では、この法律がどのように私たちフリーランスに影響があるのか解説します。

この記事でわかること
  • フリーランス保護法の実際の内容
  • フリーランスとインボイスの関係
  • 違反の罰則について
この記事を書いた人
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ポーター
  • 軽バンでの仕事歴10年
  • 長距離からウーバーイーツまで幅広く稼働
  • 軽貨物のみの売上は年間500万円以上

フリーランスにとって何が新しいのか

救いの手

フリーランスには、自分のスキルや経験を活かして柔軟な働き方ができるというメリットがあります。しかし、フリーランスは、労働基準法などの保護が受けられず、取引上の立場が弱いなどのデメリットもあります。

フリーランスの弱み
  • 労働基準法をはじめとした労働法の適用を受けない
  • 労働時間が無制限になることで、過重労働の危険性がある
  • 発注者依存度や案件の不定期性によって、取引トラブルに巻き込まれやすい

このようなフリーランスの状況を改善するために、2023年4月に「フリーランス・事業者間取引適正化等法」(以下「フリーランス保護法」)が成立しました。

フリーランス保護法は、フリーランスが不当な取引に巻き込まれることなく、安心して働ける環境を整えることを目的とした法律です。

法律の主な内容
  • 業務を委託する企業は、報酬額や契約内容などを書面で交付する義務を負う。
  • 不当な仕事内容の変更や報酬減額の禁止
  • 報酬を支払う企業は、60日以内に支払う義務を負う。
  • 報酬を支払う企業は、ハラスメントを行わないよう配慮する義務を負う。

ほかにもフリーランスの労働環境改善のため、育児・介護への配慮やハラスメント相談窓口の設置も義務づけられています。

フリーランス保護法 いつから?

フリーランス保護法は、早ければ2024年秋頃に施行される予定です。

フリーランス保護法とインボイス

2023年10月に始まるインボイス制度も、フリーランス保護新法を後押ししました。

インボイス開始で想定されるトラブル
  • 課税業者が、課税額の増額分、報酬の値上げ交渉に対するトラブル防止
  • 免税業者に対し、課税業者になるように迫る等のトラブル防止

インボイス制度の開始により増加すると思われる、価格交渉など取引トラブルを防止するため、法的な面からの対応がはかられていると考えられます。

下請法とフリーランス保護法の違い

フリーランス保護法と類似した法律に、下請法があります。正式には「下請代金支払遅延等防止法」といい、下請事業者が不当な扱いを受けないようにするための法律です。下請法は、1989年から施行されています。

下請法との主な違い
  • 下請法は下請業者の資本金が1,000万円以下、発注元の資本金が1,000万円超対象
  • フリーランス保護法は対象業者の資本金の制限なく対象となる

取引先(発注元)の資本金が1,000万円以下、なんて軽貨物やってると普通にありますよね。
「下請法」の元では、対象外でしたが「フリーランス保護法」では資本金の制限なく保護されます。

下請法フリーランス保護法
取引先の資本金が1,000万円以下保護対象外保護対象
自身の資本金が1,000万円以下保護対象外保護対象
資本金による保護の差

フリーランス保護法に違反したら?

裁判所

罰則は、公正取引委員会などによる立ち入り検査や勧告、命令、社名公表などの他、命令に従わない場合の罰金(50万円以下)となっています。

罰則としては軽くも見えますが、立ち入り調査や社名公表など、企業側としては評判面でのダメージが大きいと思います。

公取委員会による立ち入り検査
勧告・命令
社名公表
命令に従わない場合の罰金(50万円以下)
罰則例

まとめ

なるほど猫
なるほど猫

フリーランスでも安心、安定した仕事ができるようになるね

  • フリーランスへの支払い期限の設定により資金繰りが安定する
  • 業者の規模問わずフリーランスに対する明確なルール作りが求められる
  • 法律とはいえ、努力項目が多め?
  • 違反の罰則は軽いが、評判面でのダメージが大きそう

軽貨物の個人事業主目線で見ると、「支払い60日ルール」など対応しきれない元請け業者もあるのでは?とも感じますが、「下請法」対象外の小規模な事業者にもより明確なルール作りと、誠意ある対応がこれから求められることになるでしょう。

努力項目が多そうな法律ですが、これからも増えるであろうフリーランスという働き方を支えてくれる法律になることを期待します。

最後までお読みいただきありがとうございました。軽貨物問わずフリーランスに役立つ情報が他にもありますので、ぜひご覧ください。