黒ナンバー取得のメリット・デメリットは
乗用車でも軽貨物の仕事ができるんだよねー?
2022年10月よりこれまでは「軽貨物車(商用車)」にしか認められなかった黒ナンバーが、「軽乗用車」にも取得できるようになりました。
需要の増えている末端の少量配送における人手不足を解消する目的があるようです。
軽貨物の事業を開業、また副業にて配送をしようという方にとっては朗報ではないでしょうか、
では自家用車の黒ナンバー取得で実際にどのような続きでどのような仕事ができるのか、解説します。
- 軽バンでの仕事歴10年
- 長距離からウーバーイーツまで幅広く稼働
- 軽貨物のみの売上は年間500万円以上
そもそも黒ナンバーとは
「貨物軽自動車運送事業」軽自動車を使って、荷物を届けてお金をもらう仕事に使う車には「黒ナンバー」がついていないといけません。
自家用車はナンバーの頭数字が「5」なので5ナンバー、軽貨物車は「4」なので4ナンバーなどとも言われます。
軽貨物車と軽乗用車の違い
軽貨物車と乗用車の違いは国交相にて定められています。主な違いは荷室の広さになります。
荷室の広さ | 開口部の広さ | |
軽乗用車 | 0.6㎡以上 | 0.48㎡以上 |
軽貨物車 | 1㎡以上 | 0.64㎡以上 |
最大積載重量の違い
軽乗用車が運べる最大重量 | 定員4名の乗用車だと |
乗車定員×55kg | 最大積載量165kg |
軽貨物車は元から荷物を運ぶための車なので、認可されてる最大積載量が乗用車と違います。
今回の黒ナンバー解禁で乗用車が運べる最大重量は、以上の通りです。
最大積載量 | |
軽乗用車 | 165kg |
軽貨物車 | 350kg |
ホンダの場合「N-BOX」は乗用車
「N-VAN」は軽貨物車(商用車)です。
乗用車を構造変更する
解禁以前は軽乗用車の後部座席を取外すなど改造して、軽貨物車(4ナンバー)登録する構造変更という方法で黒ナンバー取得する方法がありました。
改造を自分でやらない場合は登録までにそれなりの費用がかかる事と、構造変更しても最大積載量が200kg程度しか認可されないので、規制緩和後はこの方法はあまりメリットがなくなりそうです。
- 荷室の広さが違う
- 荷物の運べる量、最大積載量が違う
- 構造変更のメリットはなくなった
どんな仕事ができるのか
今まで見た通り軽貨物車に比べ積載量が少ないので、いままでの軽貨物事業者がしている仕事が全てできるわけではありません。
建材や食品の配送等、委託会社に登録して仕事をもらうような稼働は積載量の問題からほぼできないと思います。現在広がりをみせているアマゾンフレックスのような軽貨物ギグワーク(マッチングアプリ)での稼働がメインになるでしょう。
アマゾンフレックスもできるけど制限あり
アマゾンフレックスの場合も規約で長時間の稼働をする場合は、参加できる車の積載量荷室サイズに制限を設けているために、乗用車では短時間の稼働のみとなります。
荷室長さ、高さ、幅の合計 | 4,000mm以上のワンボックスタイプ |
最大積載量 | 350kg |
乗用車向け!アマゾンハブデリバリーパートナープログラム
アマゾンの配送でも先日より開始された「AmazonHubデリバリーパートナープログラム」は、小規模配送になりますが乗用車配送に適しているでしょう。詳細記事をご覧ください。
フードデリバリー には強み
現状一番の強みは「UberEats」や「出前館」などフードデリバリーの配達でしょう。
積載量も問われないですし、軽バンより小さい車であれば小回りを生かした配達ができます。
- アマゾンフレックス短時間の稼働
- メール便等の配送
- フードデリバリー
- アマゾンフレックスの長時間配送
- 中・長距離等スポット配送
- 食品・建材等のルート配送
副業でも確定申告の対象です
副業で開業したとしても、年間20万円以上の売り上げがある場合は、会社員の年末調整とは別に確定申告の対象となるので注意が必要です。
乗用車黒ナンバー取得方法
黒ナンバー取得のための手続きは、今までの軽貨物車と同じ手続きになります。個人事業主・副業で開業する場合も開業手続きを出して、陸運局への届出が必要。
ハードルが高く見えますが、基本届出制なので書類さえ提出すれば簡単に黒ナンバーはもらえます。
黒ナンバー車の車検は2年毎なので、ナンバー取得時点で次回車検まで2年以上の期間がある場合、その車の次回車検は2年後に短縮されます。
また任意保険が事業用車に対応したものに変更が必要です、通販型等安価な自家用車の保険にくらべかなり割高な金額となるので注意が必要です。
登録区分 | 13等級の年間保険金額 |
黄色ナンバー | 6万円 |
黒ナンバー | 17万円 |
黒ナンバーの取得方法の詳細
黒ナンバーの取得方法や基礎知識については、ボリュームがあるので別記事にまとめてあります、ぜひご覧ください。
必見!乗用車の保険等級が黒ナンバーにも引継げる裏技
まとめ
- 手持ちの軽自動車がそのまま活用できる
- 税金が安くなる
- できる仕事に制限がある
- 任意保険が高くなる
- 開業手続きをしなければいけない
現状のメリット・デメリットを見てみるとあくまで副業の方向けであると言えるでしょう。使用する車が違う以外は登録にかかる手続き費用も同じなので、本業として軽貨物事業に参入されるかたは、できる仕事の幅が違うので最初から軽貨物車を用意されることをお勧めします。
今後の案件拡大に期待だね!
軽乗用車黒ナンバーのまとめ
- 現状では乗用車では軽貨物専業には厳しい
- フードデリバリー等副業には活躍
- 届出の手間と保険料の変更がある
- これからの小規模配送の整備に期待
軽乗用車の黒ナンバー取得で今の所できる仕事というと、フードデリバリーがメインになりまだ限定的な雰囲気ですが、元々末端の配達員不足解消が目的なので、今後小規模配送のルート準備などができれば受け入れる会社等も増えてくるでしょう。
以上、まだ始まったばかりの制度なので企業の対応もこれからだと思うので今後の展開に期待です。
最後までお読みいただきありがとうございます。ここでは解説しきれない関連情報のリンクが記事にあります、参考になる情報なのでぜひご覧ください。
参考文献(PDF)
国交省「貨物軽自動車運送事業における軽乗用車の使用について」
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